にゃごにゃ小学校

本家(HP)作製のネタ、あるいは記事にするには寸足らずな話を日記兼用でアップします。

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 (以下の記事は、あくまで私的な感想です。この映画を気に入っている方にはおわびします。)

 公開初日の夜、「ハウルの動く城」を見てきた。翌日の今日になってざっとブログ等の評価を見たが、概して評価が良い。冗談ではない、といいたい。
 ハウルに関する記事なんて、それこそゴマンとあるだろうし、わざわざブログで書くつもりなど毛頭なかったが、気が変わった。金を払った者の権利を行使して、感じたままを書かせてもらう。

 まず、よかった点から。
 ピカいちなのは、ハウルの弟子の男の子、マルクル。小学校5年生の声優、神木隆之助の異常な才能もあり、ものすごくいいキャラだった。特に、魔法で化けた老人と、子供の姿のギャップがとてもよい。
 それからカルシファー。まあ、最初から愛嬌のキャラであることはわかっているが、それでもたいしたもの。
 また、木村拓哉の声優ぶり。私はファンでもアンチでもないが、非常にうまかった。声優嫌いの宮崎駿が採用するだけのことはあるといえる。全般に、イノセンスに匹敵する声優陣のクオリティの高さといえる。
 あと、映像はさすがに見事。美しい。迫力がある。リアルだ。

 さて、一方、不満は山ほどある。
 まずストーリー。ひとことでいって「混乱」以外の何モノでもない。まったく芯がない。一貫性もなければ説得力もない。キャラも立っていない。共感を覚える要素がない。深みがない。とにかくいくらでも悪口が出てくるくらいひどい。
 最初の30分くらい、ひたすら退屈であることに同感する人は多いと思う。そのあと、おっ、と期待させる部分は時々出てくるが、それきりかすりもしないでしぼんでしまう。
 夢オチのシーンも出てくるが、そもそも前提の「現実」がさっぱり輝いていないしリアリティもないうえ、その夢に神秘的な部分も現実とみまごう迫力もないから、単に話を紛らわしくする効果しかない。

 ハウルが興味を持ちながら怖れをなした「荒地の魔女」のショボさは何だ!?ヒロイン、ソフィーの性格のあいまいさは何なのだ!!王宮の実権を握る魔法使い、サリマンはどういうキャラなんだ?ものがわかったような顔をしたり、悪魔的に見せたり、支配的であったり、そして慈母のような顔をしたり。この変化は、しっかりした芯があってこそ成り立つ行為ではないのか。だいたい、「この無意味な戦争を止めさせましょう」って、それができるならさっさとしろって。これで「反戦」が含まれている映画といえるのか。
 「千と千尋」と同じ劇場で観たが、このときは、帰りの車の中で余韻醒めやらず、まだどっぷりと宮崎ワールドに浸っていた私と妻がいた。すぐにももう1度観たいと思ったし、事実その後、数回足を運んだ。
 しかし、今回はふたりとも、言葉もなかった。DVDやテレビなら、十分で切ってしまっていた内容だが、その後、まったく雪辱することなく終わってしまった。

 結論からいって、宮崎アニメ中、最低最悪の出来だ。それも、過去の最悪作品をぶっちぎりで引きはなすひどさだ。
 公開前の評価が芳しくないことは、観賞後ウェブで調べて初めて知った。当り前だ。
 宮崎駿はおかしい。傲慢を節々に感ずることは前からあったが、千と千尋では、それでもこれだけのものを作ることのできるたぐい稀な才能を有していることを証明して見せた。傲慢さも、他の多くの天才監督同様、才能の代償でやむを得ないか、と思わせる部分があった。
 しかし「ハウルの城」はどうだ。一言一言のセリフに、何年経って思い出してもしみじみと浸みてくる味のあった、彼の過去の作品の輝きはまったくない。自称「宮崎駿の申し子」のオタクたちが、その技法を真似て作ったツギハギな映画でも、もっとはるかにわくわくさせてくれるに違いないと思えるような御粗末な出来だ。

 「千と千尋の神隠し」のDVD問題の際の、スタジオ・ジブリの傲慢な態度は、やはり宮崎駿と無関係ではなかったんだな、と確信した。ジブリを非難してもだれも宮崎駿を非難しなかったその事件だが、やはりしっかりと結び付いていたんだとよくわかった。
 宮崎駿は、傲慢さゆえに、その才能を枯渇させた。すべて自分の力だと過信し、天の助力を失った。なにより顕著なのは、「ハウル」のパンフレットだ。監督の言葉がどこにも出てこない。さぞかし、パンフの編集者は苦労したに違いなく、それゆえ、全体の何割かが縁もゆかりもない第三者の感想文で埋められるという異常な事態になっている。この事実こそ、宮崎駿自身が、救いようのない駄作になってしまったことを認めているようなものだ。
 それにしたって、劇場にお金を払って足を運び、しかもパンフレットを買ってくれる観客に対して、あまりにも失礼というものだろう。
 スタジオ・ジブリは、きっと、骨がらみだめになってしまった。トップがダメなら衰退は早い。ジブリアニメの終焉が目の前であることを象徴することになった作品である。

 まだまだいくらでも批判できるが、もううんざり。ハウルは、何十本に一本、出会うくらいの駄作である。それでも好きな人は観ればいい。私はもう、2度と観ない。それでも、過去の宮崎作品は愛している。




コメント



もう信じられません (かおる)
2004-12-15 23:32:27


今日観てきました。
愚作と言わざるを得ない出来にびっくりしました。怒りすらおぼえます。「原作者に誤れ」と叫びたいくらい、ジブリ不信になりました。
ちなみに原作の方はとてもおもしろい作品です。ぜひ『ホンモノ』を読んで下さい。



Thanks! (にゃごにゃ)
2004-12-16 08:57:20


かおるさん、感想ありがとう。

ですよね。でも、ネットとか見ても、なんか好意的な意見が支配的で、う~ん、おれって文句いいなのかなあ、とやや不安になったりしてました。

ですが、そうですか。原作は面白いんですね。これはぜひ読んでみないと。

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